【古賀】東電破綻処理と日本の電力再生のシナリオ【現代ビジネス】
現代ビジネス。古賀さん。
既にこのブログにアップしたと思っていたらアップされていなかった記事。 長いが、読む価値は十二分にある。長すぎて項目毎にまとめてほしいが、自分が気になったところを挙げておく。
【東電のリストラ】
経営陣の責任の取り方としては、役員全員の退任、年金の返上、退任までの給与の全額返上(幸いなことに電力会社の役員はこれまでに十分すぎるほど報酬をもらっているので生活に困ることは全くない)、相談役・顧問等の非常勤ポスト全廃などを実施すべきだ。
従業員の人員削減、給与削減(今は高給だが、一般の企業並みには下げなければならない)、福利厚生の引き下げ(社宅・保養所の廃止を含む)、年金の減額など。ただし、福島の現場で命がけの作業を行っている従業員については当然例外とし、むしろ待遇改善を行うべきである。
資産の売却。本社、支店、営業所等の不動産売却と移転や子会社の売却など。特に本社を売却し、福島に移転することを実施すべきだろう。当面は福島第一原発事故と被災者への対応が最優先課題となるはずだからである。内幸町に置く必要は全くない。なお、資産を売却するのはキャッシュをねん出する上では意味があるが、含み益を吐き出すことを除けば財務を改善させる効果があるとは限らないことに注意が必要だ。資産の形態が変わるだけだからだ。
原発を推進することを前提に積み立てられている各種の引当金、積立金についても、原発推進をやめる場合に必要なくなる分については積み立て義務を解除して、弁済原資に充てられるようにすべきだ。核燃料サイクルなど、既に破たんした計画のためにこれ以上積み立てる意味はないだろう。
【資金調達コストと原発コスト】
上記のとおり、原発事故のリスクを抱えた電力会社の資金調達コストが上がるだろうという予想は正しい。しかし、それは、市場のリスク評価が本来あるべき姿になるだけのことであって、それによって、原発事業のコストが上がることはむしろ好ましいことであろう。
【東電の今後】
つまり、東電憎しという気持ちはわかるが、今の東電は憎んでも、再生後の電力事業は、東電ではなく、新たに創造された事業だと考えて、新生会社には、むしろ元気に世界の先端的電気事業会社として成長を期待できるようにする、という発想の転換をすべきだ。いつまでも恨みつらみを引きずっていては、結局国民が損をすることになる。
【足りない分は誰の負担?】
上記のとおり、補償額が巨額になった場合は、電力事業の再生を前提にする限り、補償債権もカットの対象とせざるを得ない。そこで、カットされた部分をどうするのかということが次の問題となる。現在の国民の多数意見は、これを泣き寝入りで終わらせることは不当であり、何らかの形で政府が責任を持つべきだと考えていると思われる。
政府が責任を持つということは、国民に負担の分担を強いるということだ。その形として考えられるのが、電気料金か税金である。とりあえず国債という考え方もあるが、最終的には国民負担につながる。
【官僚の責任・リストラ】
政府の責任を言うとすぐに国民負担という話になるが、その前に経産省等の責任を明らかにする必要がある。東電の経営者の責任を問うのと同じである。
とりわけ、貞観大地震などの研究成果に基づき、地震・津波対策の抜本的強化の必要性が叫ばれて以降の原子力安全・保安院、資源エネルギー庁、経済産業省の関連幹部の責任はある意味、東電より大きいとさえ言える。現在の幹部ももちろんだ。彼らが、今、東電の温存策策定に必死になっているが、事故の責任者に将来の対策の立案を任せていては、自分達の利権擁護と保身のために対策が歪んでしまう。彼らをまず対策立案チームからはずすことが正しい対策立案への近道になる。
これらの責任のある幹部には退任と退職金返上を要請すべきだ。過去の幹部にも補償金のための退職金返納を求めるべきだ。
先日、東電に天下りした前資源エネルギー庁長官が顧問職を退任したが、他の電力会社の殆どに今も天下りの経産省OBがいる。彼らにも自主的退任を求めるべきだろう。彼ら個人に必ずしも直接の責任がある訳ではないが、被災者の感情を考えただけでも天下り癒着の構造を残すことは許されないだろう。
【政府資産の売却益】
次に、政府の責任という場合、個人の責任追及だけでなく、東電が行うのと同様に意味のない資産を売却して補償財源を確保するということが必要だ。手っ取り早いのは、まず、JT株(現在の株価でも三兆円)、NTT株の売却、さらに、日本郵政株も本来の方針通り早期に売却すればさらに数兆円が入るだろう。
公務員幹部宿舎、印刷局その他の土地、独法の保有する株、債権など天下りや各種の利権を温存するために保有している資産は、国民にとっては百害あって一利なしであるから、直ちに売却する。これによって料金値上げや増税は必要なくなるか、かなりその規模を圧縮できることになる。
【マスコミ対策】
東電の広報は原則禁止措置をとればよい。当面は政府が要請する。東電は従うであろう。これによって、マスコミへの不当な影響力を排除することができる。また、これまでに行ったマスコミに対する接待や便宜供与などは全て個人名を含めて公表させることが重要だ。管財人や経営監視委員が指名されたのちは、彼らがその実効を確保する。
東電による学者等への資金拠出・原稿料・講演料などの支払いも全面公開を要請する。これにより御用学者があぶり出され、彼らによる東電寄り「専門家」情報の影響力を弱めることができる。
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