2011年4月4日月曜日

【改訂版4/4】3.11 後のエネルギー戦略ペーパーNo.1

飯田哲也氏ついった:


【改訂版4/4】3.11 後のエネルギー戦略ペーパーNo.1『「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」へ』を発表しました。2020年原発全廃シナリオを追加し、需要側対策を具体化しました。


一部抜粋



3.1 短期的な対応~主にこの夏のピークを見込んでの対応
【要旨】今春から夏の需要ピーク時
(1 日最大電力予想=発電端で 5,755 万 kW)にかけて、とくに需要側への適切な措置~とくに大 口 需 要 家 と  の  需 給 調 整 契 約 の  戦 略 的 活 用~を行えば、短 期 的 に  も無 計 画 な「 計 画 停 電 」 を  実 施 し  な  く  て  も  、  十 分 に  対 応 可 能であることが明らかになった。具体的には、福島第一原発と第二原発はもとより、柏崎刈羽原発を全機停止したとしても、最大で 270万kWの供給不足に対して、以下の措置により1100万kW以上の需要引下げ効果が期待できるものと考える。


  家庭~50kW 未満は、一律、契約電力(アンペア数)を2割引き下げて 250 万 kW の引き下げ効果
  50kW~500kW は、ピーク料金を設けることで 150 万 kW 程度の引き下げ効果
  500kW~2000kW は、ピーク料金から開始し、順次、需給調整契約に移行して 200 万 kW 程度
  2000kW 超は、原則として政府あっせんによる需給調整契約によって 500 万 kW 程度


(1) 経済危機を招く無計画な「計画停電」
現状、緊急対応として実施されている「計画停電」では、地域を輪番的・機械的に停電させる措置であり、信号や鉄道、病院などのライフラインの優先もなく、また企業活動への配慮もないため、社会全体に甚大な悪影響を及ぼしている。ただでさえ、東京電力福島第一原発の最悪事故が先ゆき見えない状況で推移する中、供給力から見て、なんとか対応可能な状況が見えているほか、自発的な節電も大きな成果をあげているため、少なくとも以下の大原則を適用すべきである。


【電力供給における基本的な考え方】
 ① ライフラインは最優先して電力供給を維持すること
 ② 一般家庭は省エネ・節電を呼びかけつつ、基本的には電力供給を維持すること
 ③ 業務および産業部門は、個別の需給管理ができることから、需給調整契約を戦略的に拡張して、市場メカニズムと自発性を活用した需給管理を行うこと
(2) 2011 年春および夏の需要動向
東京電力における 2011 年春の需要内訳の推計を示す(図 3.1)。
図 3.1:東京電力の需要推計(2011 年春)  (万 kW) ※環境エネルギー政策研究所の推計による



-略-

(1) 原子力の凍結と国民的議論
もともと日本の原子力発電所は老朽化が進んでおり、通常に想定される 40 年寿命で見ても、今後、急激な減少期を迎える。それに、新増設の放棄(少なくとも中断)や地震で影響の受けた原子力発電所の廃止措置などで、一気に原子力発電所の設備容量の減少が進む見込みである(図 3.3)。



-略-

自然エネルギーの普及は、極めて短期間で実現に結びつけることができるため、震災復興の経済刺激策
としても、またエネルギーリスクや温暖化対策としても、極めて有効となる。また、PC や携帯電話、液晶テレビと同じ小規模分散型技術の特徴として、「普及すればするほど性能が上がり、安くなる」という効果がある。つまり、過去の 10 年よりもこれからの 10 年の方が、はるかに普及のペースを加速することができ、同時に導入費用も安くなる。


目標とする水準は、ドイツが参考となる。ドイツは、電力に占める自然エネルギーの比率を、過去の 10年で6%から 16%に 10 ポイント高めたが、今後の 10 年で 16%から 35%へとおよそ 20 ポイントも高める目標を持っている。また、2050 年には電力を自然エネルギーですべて賄うシナリオも政府機関から提示されている(「自然エネルギー白書 2011」参照 http://www.re-policy.jp/jrepp/JSR2011/)。


そこで日本でも、現在およそ 10%の自然エネルギー比率(大規模水力を含む)を、これからの 10 年で 30%
へと 20 ポイント高めるという政治目標を掲げることを提案する。この 30%という自然エネルギーの比率は
2020 年の電力量をベースにすると 37%に相当し、実質的にドイツを超える目標となる。さらに欧州やドイツと同様に、2050 年までに自然エネルギー比率を 100%にするシナリオも視野に入れることを提案する(表3.1)。こ こ で は 2008 年に自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)が発表した「2050 年自然エネルギービジョン」(参照:http://www.re-policy.jp/2050vision/index.html)をベースに、日本国内のでの自
然エネルギーの導入ポテンシャルなどを考慮した目標としている。

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